【14選】曾我蕭白の作品が所蔵されている日本の美術館・寺院【奇想の系譜】

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三重県立美術館(三重県津市)

ボストン美術館の所蔵品含めアメリカ5か所から里帰りした作品や、曽我の日本代表作など約80点を展示しています。曽我の作品を年代を追って鑑賞することができる日本最大規模の美術館になります。
松鷹図5面、山水図8面、牧牛図4面などの紙本水墨画を常時18点展示しており、中には重要文化財の「旧永島家襖絵」もあります。どれも曽我を語るためには欠かすことができません。ほとんどの作品に注釈が添えられていて、初めて作品を見る方も楽しめます。
曽我の作品を中心に展示会も開かれ、多くの曽我研究者たちが足を運びました。広々として静かな館内は、訪れる人々を和やかな気持ちにさせてくれること間違いなしです。

施設名三重県立美術館(みえけんりつびじゅつかん)
住所〒514-0007 三重県津市大谷町11
公式サイト名三重県立美術館 Mie Prefectural Art Museum
公式URLhttps://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/index.shtm
営業時間9時30分~17時00分(休館日:月曜日(祝日時は翌日)
電話番号059-227-2100

三重・朝田寺(三重県松阪市)

周囲が田んぼに囲まれたのどかなお寺。曽我は28~35歳の間に2度この寺を訪ね、11点の作品を残しています。
曽我は地蔵菩薩を前に、その守りとして「阿吽の獅子」を描いたり、書院で酒を飲みながら「ひっくり返った布袋さん」を描いたりしたそう。これらは毎年4月20日から5月5日の間書院で公開しています。代表作とも言える獅子図は、正面から座って観ると獅子が浮き出て見えるように配置されています。その他曽我関連の書籍や図録も紹介されており、見どころ満載です。
美術館では味わえない雰囲気のある展示で、観る者を飽きさせないのも魅力です。

施設名朝田寺(ちょうでんじ)
住所〒515-0027 三重県松阪市朝田町427
公式サイト名朝田寺
公式URLhttp://chodenji.jp/
電話番号0598-51-8661

三重・継松寺(三重県松阪市)

厄除けで地元では有名なこのお寺では、曽我が35歳の時に描いたと思われている「雪山童子図」が保管されています。
「雪山童子図」は県指定の重要文化財に指定されており、公開はされていません。大きく手を広げた雪山童子が木の上から飛び降りようとし、その下では飢えた羅刹が口を開けて牙をむき出し、童子を睨みつけている図です。釈迦の前世の説話の中の1つをモチーフにしています。
寺記によると、この作品は明和8年に村田彦左衛門祇昌が寄進したそうです。
神秘的かつ不穏な図は、羅刹の青がアクセントとなっており、目に留まるものとなっています。

施設名継松寺(けいしょうじ)
住所〒515-0083 三重県松阪市中町1952
公式サイト名三重県で厄除けなら松阪市にある「岡寺山 継松寺」へ
公式URLhttps://www.okadera.com/
営業時間6時00分~17時00分
電話番号0598-21-0965

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菅相寺(大阪府守口市)

この寺では、曽我の作品の中では珍しい、肖像画が保管されています。
「千方牛和尚図」と呼ばれるこの肖像画は、やや斜めからのアングルで、椅子には獅噛が描かれている異色の作品となっています。目尻に3本の小皺、こちらを睨みつける表情は曽我独自の表現で、松阪在住の藤田氏のリクエストでもあったといいます。
描かれた千方牛和尚本人は、観音寺の住職でした。もともとはこの観音寺に収蔵されていたそうですが、廃寺となり、同じ宗派である菅相寺に移ったそうです。
袈裟の黄色、椅子の赤色といった原色を使った彩色は、黄檗画像と似ています。こちらの作品は市の有形文化財に指定されており、公開はされていません。

施設名菅相寺(かんそうじ)
住所〒570-0002 大阪府守口市佐太中町7丁目16−4
公式サイト名
公式URLhttps://www.soto-kinki.net/sp/teranavi/detail.php?id=3-097
電話番号06-6901-6840

京都・興聖寺(京都府宇治市)

古田織部氏にゆかりがあり、「織部寺」とも呼ばれるこのお寺。実は曽我とその一族の菩提寺でもあります。曽我本人の墓もこのお寺にあり、結びつきはかなり強いです。
このお寺には重要文化財に指定されている「寒山拾得図」が保管されています。寒山拾得とは、中国にある寒山寺に伝わる僧、寒山と拾得の伝承のことです。
曽我の描いた寒山は、満面の笑みを浮かべて椅子に腰かけ、巻物を手にしています。拾得の方は、トレードマークの箒を手に持ち、寒山に何かを言っているような図です。いたずらをしたように笑っている寒山に、拾得が何か注意をしているのか、観る人によって解釈が膨らむ作品です。

施設名興聖寺(こうしょうじ)
住所〒611-0021 京都府宇治市宇治山田27−1
公式サイト名曹洞宗仏徳山 興聖寺
公式URLhttps://www.uji-koushouji.jp/
営業時間10時00分~16時00分(入山規制あり)
電話番号0774-21-2040

香雪美術館(大阪府大阪市)

朝日新聞社の創設者である村山龍平の収集品を収蔵、展示している美術館です。重要文化財19点、重要美術品23点を含めた400点以上の美術品に加え、村山家から寄託された1600点の美術品も収蔵されています。
2014年には「鳥獣画の探求」という曽我の作品メインの展示会が開催されていました。その名の通り、鳥獣に関する曽我の作品を展示しており、「架鷹図屏風」をはじめ、「鷹図」や「松鷹図襖」など30点以上の作品が並びました。
「鷹図」はこの美術館に収蔵されており、背景まで細かく多彩に描かれた鷹の図は、曽我の作品の中でも特に優美です。着色されている鷹図は現存しているもので3点と少なく、貴重なものとなっています。

施設名中之島 香雪美術館(なかのしま こうせつびじゅつかん)
住所〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島3-2-4
公式サイト名中之島香雪美術館
公式URLhttps://www.kosetsu-museum.or.jp/nakanoshima/
営業時間10時00分~17時00分(休館日:月曜日(祝日時は翌日)、年末年始、展示替え期間等)
電話番号06-6210-3766

近江神宮(滋賀県大津市)

天智天皇が祀られている神聖な神社には、日本初の時計博物館である「時計館宝物館」があります。この館に曽我の作品も収蔵展示されているのです。
展示されているのは、重要文化財にも指定されている「楼閣山水図屛風」。現品は琵琶湖文化館に寄託されており、ここで観られるものは複製です。金の屏風に描かれた山は、かすみ具合や筆の強弱が絶妙で、絶対的な存在感を感じます。
向かって右隻を春、左隻を秋として、天台山や金山が描かれていると考えられています。幻想的かつ、現実のものを投影した画風からして曽我が35歳ごろの際に描いたものだと思われており、彼の山水図でも代表作に等しいものです。

施設名近江神宮(おうみじんぐう)
住所〒520-0015 滋賀県大津市神宮町1−1
公式サイト名近江神宮公式ホームページ|総合案内
公式URLhttps://oumijingu.org/
営業時間6時00分~18時00分
電話番号077-522-3725

九州国立博物館(福岡県太宰府市)

地域市民らの果敢な支援によって成り立っているこの博物館には、近年まで秘蔵されていた曽我の作品が収蔵されています。
それは「群童遊戯図屏風」という作品で、後世の画家によってコピーされていたものでした。牛や川などの背景に、群れて遊ぶ子供達と、2人の女性が描かれています。人物の服装が彩色、水墨、金泥など様々な画材を用いて描かれており、曽我の鮮やかな表現が伝わる作品です。
また、「許由巣父図屏風」という水墨画も収蔵されています。中国古代の物語を題材とした作品で、感情が伝わる人物の表情や、画面いっぱいに描かれた繊細な描画、グラデーションの表現が魅力的です。数少ない曽我の最初期作品で、非常に貴重なものとなっています。

施設名九州国立博物館(きゅうしゅうこくりつはくぶつかん)
住所〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4丁目7−2
公式サイト名九州国立博物館 – トップページ
公式URLhttps://www.kyuhaku.jp/
営業時間金・土以外:9時30分~17時00分、金・土:9時30分~20時00分(定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末等)
電話番号050-5542-8600

奈良県立美術館(奈良県奈良市)

鎌倉時代から現代に至るまでの絵画や工芸品、彫刻や書籍など、4000点を超える美術品が収蔵されています。収蔵されている曽我の作品としては、「美人図」があります。青色の鮮やかな着物を着てこちらに微笑む美人が描かれているこの作品。一見ただの美人図のようですが、細かく裂けた手紙を咥えていたり、爪に泥が詰まった素足だったり、着物の着方がだらしなかったりと、よく見るとただならない様子が伺えます。
女性の姿勢が、鈴木春信の「縁先美人図」に近いことから、この図を真似て、捻りを加えた作品だと考えられています。
着物の模様や、背景の黒蘭などから、不穏な死を遂げた中国の女性をモデルにしている説や、細かく裂かれた手紙から「藍染川」を表現している説もあります。

施設名奈良県立美術館(ならけんりつびじゅつかん)
住所〒630-8213 奈良県奈良市登大路町10−6
公式サイト名奈良県立美術館/奈良県公式ホームページ
公式URLhttps://www.pref.nara.jp/11842.htm
営業時間9時00分~17時00分(休館日:月曜日(祝日時は翌平日)、年末年始、展示替期間中等)
電話番号0742-23-3968

鳥取県立博物館(鳥取県鳥取市)

鳥取県の自然や歴史、美術を、3000点の資料で分かりやすく紹介している博物館です。この館では、石谷コレクションとして曽我の「月夜山水図襖」という作品が収蔵されています。この作品は、襖4枚に月夜の幻想的な風景が描かれているものです。のどかな湖面と舟、木々に囲まれた楼閣が、月の光を浴びて浮かび上がっています。繊細な描画と、夜空を飛ぶ鳥の表現に、曽我らしさを感じます。墨一色とは思えない濃淡の使い分けや、月光に関する曽我の感性が光る優品です。
平成23年には「障屏画」という企画展示がこの館で行われ、「月夜山水図襖」もこの展示に並びました。

施設名鳥取県立博物館(とっとりけんりつはくぶつかん)
住所〒680-0011 鳥取県鳥取市東町2丁目124
公式サイト名鳥取県立博物館/とりネット/鳥取県公式サイト
公式URLhttps://www.pref.tottori.lg.jp/museum/
営業時間9時00分~17時00分(休館日:月曜日(祝日時は翌平日)、祝日の翌日、年末年始等)
電話番号0857-26-8042

京都国立博物館(京都府京都市)

西洋を思わせる佇まいのこの博物館は、有形文化財を収集し、保管しています。この館では過去に「曽我蕭白展」という曽我の作品をメインにした展示会が開催されていました。4万6千人もの入場者があり、大好評だったそう。約120点もの作品が展示され、この中には新発見されたものや、未発見だったものも含まれていたと言います。
「林和靖図屏風」、「群仙図屏風」のメイン展示をはじめ、「楼閣山水図屛風」「月夜山水図」もここに並びました。これらの作品の間には曽我の独特な怪醜表現を用いた作品や、伝統的な山水画も展開されました。
曽我のファンなら見逃せない作品の数々が展示され、繊細な描画を集中して鑑賞できる展示会となっていました。

施設名京都国立博物館
住所〒605-0931 京都府京都市東山区茶屋町527
公式サイト名京都国立博物館
公式URLhttps://www.kyohaku.go.jp/jp/
営業時間9時00分~17時30分(休館日:月曜日(祝日時は翌日)、年末年始等
電話番号075-525-2473

MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市)

「桃源郷」をコンセプトとした幻想的な展示をしているこの美術館では、「富士三保図屏風」という曽我の作品を観ることが出来ます。
その名の通り真っ白な富士山が堂々と描かれ、日の出のかすみや、雲の表現が絶妙です。元は旧パワーズコレクションだったそう。麓に林や民家も描かれており、曽我の細かなこだわりが感じられます。
右隻では上空に虹がかかっています。手前には松原の並木が描かれており、その背後に小さく富士が配置されているのが特徴です。題材である富士山をあえて小さくするのは鬼才である曽我の捻りが感じられます。
この館では、薄暗い部屋に作品がライトアップされる形で展示されており、この作品の雰囲気をより演出しています。

施設名MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)
住所〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
公式サイト名MIHO MUSEUM | I.M.Pei 設計の美術館。古代エジプト,ギリシャ・ローマ,アジア等世界の優品と日本美術の優品を展示
公式URLhttps://www.miho.jp/
営業時間10時00分~17時00分(休館日:月曜日(祝日時は翌平日)、展示替等)
電話番号0748-82-3411



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